軌道が楕円状に引き伸ばされている

冥王星への旅路の大半は太陽の光が探査機に届かず、太陽電池は使えない。
飛行中は休眠状態にして電力消費を抑え、接近したら、搭載したプルトニウムの放射線エネルギーを電気に変える原子力電池を使う。
ちなみにプルトニウムは冥王星（プルート）からその名がつけられた。
冥王星は表面の様子や大気の成分などがわかっておらず、謎に包まれている。
これまで最も高精細な画像を撮ったのはハッブル宇宙望遠鏡だが、１回の撮影では点にしか見えない。
20台のコンピューターで４年間かけて大量の写真を合成し、全体像を推測している。
ニューホライズンズは７種類の観測機器で星の姿を詳しくとらえる。
目玉はカメラ「ラルフ」で、地表の250メートルの物体まで見分けられる解像度を持つ。
大気の温度や圧力などの測定装置「レックス」のデータからは、冥王星の重さや大きさが分かると期待されている。
大気の成分を調べる機器なども備えた。
ニューホライズンズの撮影した写真がハッブル望遠鏡の解像度を超えるのは５月ごろ。
７月14日に冥王星に約１万キロメートルまで最接近するときが最大のシャッターチャンスとなる。
撮影した写真などのデータはいったんメモリーに蓄積し、16カ月かけて地球に送信する。
冥王星は太陽系の他の惑星とは異なる特徴が多い。1930年の発見当初は地球ほどの大きさとみられていたが、実際には冥王星の直径の半分ほどの巨大衛星「カロン」が重なって見えており、本体は月よりも小さかった。
軌道が楕円状に引き伸ばされていることも分かった。
楕円軌道は79～99年は海王星の内側を通っていたため、この間の太陽系惑星は「水金地火木土天冥海」の順に並んでいた。
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